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(サブカテ記事№09)

※この記事は、2023年02月-05月にUPされた記事群を大幅に加筆、編集、章立てをし直してUPされています。

前回から、コーチングについて触れています。


コーチングそのものの価値は確かであるものの、残念ながらコーチングビジネスの世界はとても怪しげあり、その怪しげなコーチングが、まともな企業研修のコーチング教育と混在している現実を紹介しました。


■コーチング/人形/象徴/ビジネス 01



なにせコーチングビジネスは儲かるのです。儲けるためにコーチになる人もいます。儲かるからこそ、有象無象が集まってくるのです。


日本のコーチングビジネスの市場は、2015年の約50億円から、2019年には約300億円へ、飛躍的に成長しましたし、世界の市場は2032年までに約41億9,000万米ドルに達するそうです。年平均成長率は6.76%の予測だとか。


2026年3月25日現在、アメリカドルは[159.48円/1ドル]ですから、このレートで換算すると、世界のビジネスコーチング市場は2032年までに、凡そ6,682億2千万円に達するということです。


欧米では、いわゆる自己啓発系のビジネスモデルと融合し、さながら宗教にも似た意識高揚で意欲を引き出そうとする流派、団体もあります。このようなスタイルにすれば、もはや理論、理屈を超越して、信仰として客を虜にすることができるからです。


そのビジネスモデルの一部が、日本では一時影を潜めていたシステム販売(いわゆる「ねずみ講」)に取り入れられ、資格も含めて情報商材のシステム販売化に一役も二役も買っているようです。


■ChatGPT/儲かるビジネス/金儲け



その狂騒は、日本の企業教育の現場にも飛び火しています。


教育担当者や、その予算査定を行う責任者が、「世の中のトレンドだから」「今どき必要だから」と反射的にコーチング研修を導入してしまう。そして、超人手不足時代の到来、採用難、離職率の増加などの社会現象も手伝って、本来は全体の教育体系の中の一手段に過ぎなかったものが、必要以上に肥大化し、教育予算の中で過大な位置を占めるようになる。しかも、そうして導入した側は、「流行を押さえた先進的な教育計画だ」と自己満足しやすい。上席や幹部へのアピールもやりやすい。「これを止めました。こんな新しい研修を始めました」「世間ではこれが今主流です」と。ここにもまた、社員教育の形骸化に関する深刻な温床があるのです。


コーチングは、あくまで手段です。目的ではありません。


しかも、その核にある部分は、昔からある部下育成論や動機づけ論の理屈を、現代向けの横文字で再包装して、新しいものとして商品化したようなものです。


従って、コーチングばかりをありがたがり、そればかりを過剰摂取していくと、社員も組織も、やがて方向性を見失っていくのです。



■CANVA/薬/過剰摂取/オーバードース/病人/病気/薬物



対話の技法や精神ばかりを覚え、肝心の仕事の価値観の共有が抜け落ちれば、表面的には「聴いている」「寄り添っている」ように見えても、実は深いところで、企業の本質的な価値観と噛み合わなくなっていくのです。そこに根源的な、企業組織と社員との間のコミュニケーションギャップが生じ、よかれと思って導入したコーチング教育によって、返って深い部分ではコミュニケーションギャップが深刻化するという、笑うに笑えない症状が展開していったりするのです。


本来のコーチングは、相手の成長を支援するための対話技法とマインドです。


ですが、その前提には、組織として共有すべき正しい価値観、仕事観、人生観が、必ず共有されていなくてはなりません。


価値観の教育が疎かになり、コミュニケーション技法やマインドばかりが先行する。それは、対処療法としての薬効を期待して西洋医学の処方薬を大量に飲むものも、一方では漢方薬には見向きもせず、日々の体質改善も疎かにしている・・・といったようなものです。


見境なく、流行りだからといってコーチングに飛びつくのは、まるで熱病に侵された人の行動です。それを企業全体の教育思想の中にどう位置づけるかが肝心要なのです。なんのためのコーチングなのか。なんのための教育なのか。そこを見誤ってはなりません。


■ChatGPT/流行/ショッピング/渋谷/買物 02



ビジネスコーチを目指す皆さま。資格を取っただけで食べていけるほど、世の中は甘くありません。ひょっとしたらコーチング業界における、1顧客として消費を期待されているだけかもしれません。


企業でコーチング研修を企画されるご担当者さま。それにかける費用と同等以上の真剣さで、「価値観(ビジネス・マネジメント・人生)」教育を考えてください。教育の空洞化が起こりかねません。大きな落とし穴に陥ります。


コーチングスキルそのものを否定するつもりは毛頭ありません。


しかし、そればかりになったとき、社員教育は形骸化、陳腐化します。そう。あなたの企業の未来を担う人財が、自前では育ちにくくなってしまうのです。もちろん、離職率増大に歯止めはかかりません。エンゲージメント増大の背景は「楽だから」「居心地がいいから」が大半を占めるようになります。


教育担当者の皆さん。幹部の皆さん。そういうことでよろしいのでしょうか?



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