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サブカテゴリ[SC02 近現代の日本の社員教育文化]
(サブカテ記事№03)
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※この記事は 2023.05.04.にUPされ、その後 2025.10.19.にリライトされいます。
このような時代、学校の先生は、企業側からしてみれば「金の卵を紹介してくれる影響力の高い存在」です。ですから、ちやほやします。すると先生方は、それなりに自尊心がくすぐられ、中には癒着めいた話に発展していくこともあったようです。
さて、前々記事と前記事の背景を、もう少し詳しく見てみましょう。
政府統計による、最終学歴とそれに応じた新卒就労者数に関するデータは、古いものが存在していません。ですから、政府統計の大学(短大含む)進学者割合と高校進学者割合に着目して推計してみましょう。すると、以下のような状況が見えてきます。戦後10年経過時点から追ってみます。
1955-59年 大学等進学率:10%前後
1960-69年 大学等進学率:10-20%前後
1970-79年 大学等進学率:20%代前半-30%後半
1980-89年 大学等進学率:30%代中間
1990-99年 大学等進学率:30%代後半-40%代後半
2000-09年 大学等進学率:40%代後半-50%
2010-19年 大学等進学率:56-58%代
2020-03年 大学等進学率:58-61%代
1955-59年 高校進学率:50%前半-中間
1960-69年 高校進学率:50%前半-80%前後
1970-79年 高校進学率:80%前半-90%前後
1980-89年 高校進学率:94%代で安定推移
1990-99年 高校進学率:95-96%代で安定推移
2000-09年 高校進学率:96-97%代で安定推移
2010-19年 高校進学率:96%程度で安定推移
2020-03年 高校進学率:95-93%代に微減推移
1960年代、70年代で、一気に高校進学率が高まり、10人のうち9人は高校に進学するようになります。高校進学の「全員化」です。80年代以降、それは更に強固なものになり、10人のうち9.5人が高校進学を果たすようになります。
一方、大学進学は、戦後10年経過時点では10%程度だったものが、今日までじわじわと割合を増やし続け、2020年代に入ると遂に60%代に突入し、高止まる様相を見せています。
このように、今でこそ大学進学派が過半数を超えるところとなりましたが、上記年代別進学率の推移からわかる通り、戦後80年の今日、その半分以上となる50年間程度は、中卒・高卒で就職する人々が過半数を占めていたのです。
このような時代、学校の先生は、企業側からしてみれば「金の卵を紹介してくれる影響力の高い存在」です。ですから、ちやほやします。すると先生方は、それなりに自尊心がくすぐられ、中には癒着めいた話に発展していくこともあったようです。
まあそれは特殊なケースだとしても、一般論として、生徒の就職に関係する学校の先生は、たくさんの企業の人事担当者と懇意になればなるほど、学校内やPTAから「あの先生は就職に強い先生だから」と一目置かれ、それが一つの権威にもなっていたのは事実のようです。
大卒就職とて、とりわけ理数系の学生は担当教授の意向が働いて就職先を決めることも往々あり、いずれにしても企業の側からしてみれば、大量採用の時代は「先生さまさま」だったのです。
私が企業の採用教育担当者として、全国の学校を駆け回っている頃、就職関係の先生方は、大半の場合、ソファや椅子にふんぞり返っていたのを思い出します。そして企業側としては平身低頭。なかにはギラギラした眼差しで、先生方をたぶらかそうとしている企業の採用担当者も此処其処に。とにかく生徒や、学生を紹介して貰おうと躍起になっていたのです。1980年代、90年代の採用の最前線はそのような塩梅でした。
このようなドラマを内包しながら、戦後80年間のうち、その半分以上を占める50年間で、日本の新卒採用のシステムは定着してきたのです。この間、企業を取り巻く環境は、戦後の高度成長期に続いての安定成長(品質追求)期へ、そしてそれに続く「商品の品質だけではなく提供の仕方にこだわりをもとう」とする全産業サービス化期へと続きました。そして土地神話のバブル景気にバブルの崩壊、その後のITバブル景気、リーマンショック等々、栄枯盛衰、多少の経済の波も飲み込んでしまうような成長とその再来が期待され、採用効率の高い ”新卒定期採用” は、企業の採用活動の主軸であり続けたのです。
[「02-04. 対処療法的教育が幅を利かせる昨今」へ続く ]
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