カテゴリ:🔴エゴグラム
低位型(第6類)
逆NⅢ型
思い込みタイプ
逆NⅢ型(自我名称付)


[ 逆N型共通の前提 ]

 

逆N型のエゴグラムパターンは3タイプあります。いずれも「"No"と言うことができる」特徴を持っています。N型が「"No"と言えない」のに対して、逆N型は自分の意見ややりたいことをはっきりと主張するのです。「逆N型は"逆に"Noと言える」タイプと覚えておくとよいでしょう。


逆N型の場合、押しなべてAC(従順な子供の自我)が比較低値或いは絶対低値であることから「人の評価をあまり気にせず」、一方でFC(自由な子供の自我)が比較準高値又は比較高値或いは絶対高値です。従っていずれのパターンでも「言いたいことを言う」エネルギーがACエネルギーを上回っていて、だから「"No"と言える」わけです。


またいずれの場合もFC(自由な子供の自我)が比較準高値或いは比較高値又は絶対高値であるため、憚りなく自由に自己表現ができます。加えてCP(父親的自我)が比較高値或いは絶対高値であることから、理想や基準を大切にし、周囲に迎合することなく(低AC)、それを追い求めていくことができます。


一般論としては、NP(母親的自我)とACが高いのが日本人の特徴です。よって日本社会では、周囲に合わせることが日本人らしい美徳とされています。そうしたことから逆N型は日本人には珍しく、貴重なタイプと言えるでしょう。その個性と強い意志は、周囲に刺激を与え、新たな価値を生み出す可能性を秘めています。

頼もしい男女の中堅社員


一方、CPとFCエネルギーの高さによって「なにごとも積極的にこなす」ものの、NPとACエネルギーの比較低値或いは絶対低値によって「周囲への思いやりや気配りが不足する」ことが間々あり、対人関係のトラブルを起こすことがあります。それでもAC低値且つFC高値であることから、いちいちくよくよせず、力強く前進していきます。


言いたいことを言い、やりたいことをやるタイプなので、トラブルをねちねちと後に引きずることはありません。対立した相手とも、その直後にケロッと談笑したり、握手したりできる特徴を備えています。


こうした傾向は日本人に少なく、その分注目されやすく、また頼もしく思われることも多いようです。ただし、逆N型の中でもⅢ型だけは注意が必要です。「頼もしい」のではなく「危なっかしい」のです。「怖い」のです。



虫眼鏡/サラリーマン/男性/外国人/ルーペ/覗き込み


  【 本論 】


このタイプは、エゴグラムにおいて特徴的なパターンであり、組織内においてさまざまなリスクをもたらす可能性があります。その主要因は現実検討味、理性、処理能力の源泉となる A(大人の自我)の低さです。ビジネス世界では、FC高値(比較高値或いは絶対高値)の魅力よりも、A低値のリスクの方が際立ちます。従って組織業務などにおいては、主としてリスク先行の対象として考えられてしまうのです。


但し芸術世界でクリエーターとして活躍しようとするなら、FCとCPが揃って絶対高値であるような場合、世間に迎合しない際立った独自の世界観を展開していくタイプとして、成功する可能性を秘めています。しかしその場合も、CPとFCが双璧となり、また相対的に際立って低いAが個性を決定づけるので、「オール・オア・ナッシング」的な価値観となりやすく、わがままを押し通せる環境と、クリエイションのアウトプットが時代の巡り合わせと合致するタイミングが必要不可欠となります。



芸術家/男性/外国人/画家/クリエーター/天才肌



さて、「No」と言えることと、頼もしさとはイコールではありません。むしろ、このタイプは、「No」を言うことに喜びを感じ、周囲を自分の思い込みで押さえつけ、そのことで自分が主役で居続けようとします。


そこに毒されたり、又は早合点して「自分を持っている頼もしい人物」であると勘違い、抜擢したりすると、ビジネス世界では大きな誤算となるケースが間々あります。NⅢ型の場合、会社の信頼を揺るがす大きなクレームやコンプライアンス問題、得意先との取引停止、部下の退職等々、大きな損害につながる可能性を孕んでいるのです。いくら「No」が言えても、それが「単なるわがままが為せる業」であるかも知れないのです。「自分を持っている」としても、その”自分”が社会性や公共性を伴っているかどうかが問題なのです。


また現実検討味や理性、処理能力のAが比較低値或いは絶対低値であることと、自由で感性豊か、直観力に優れたFCの比較高値或いは絶対高値であることが組み合わさって、理性が欠落したような状態で、感性だけで生きていく傾向があります。こうなると自分で自分の感情に振り回されて、自分自身の制御がままならなくなり、にっちもさっちもいかなくなってしまうことがあります。本人も大いに困惑します。



竜巻/自然現象/稲妻/落雷/天災/天災地変/終末



ところがそういう場合であっても、高いCPとFCが邪魔をして、他者の手助けやアドバイスを拒絶しがちですから、このような状態に陥らないよう未然防止のための施策に取り組むことが推奨されます。欧米ではこのような芸術家やそれに類するような人々が、ドラッグやアルコールにおぼれていくケースが多く、心配されます。


逆NⅠ型のように「CPとAがセットで高エネルギー化」すると社会性が洗練されていくものですが、逆NⅢ型のように「CPとFCがセットで高エネルギー化」すると、それは事実に裏打ちされた正しいあるべき姿(例えば社会性)ではなく、思い込みによるあるべき姿を追求するようになります。つまり自分のしたいようにする傾向が際立っていくのです。


そうならないように制御できるか否かは、相対最低値であるAのエネルギーの絶対値がどれだけ高いかにかかってきます。つまりAのエネルギーとCP&FCのエネルギー格差が、そのままリスクに繋がっていくということです。


前述のような極端な事例ほどではないにしろ、NPとACの落ち込みとCPとFCの突出が際立てば際立つほど、つまりグラフ上で逆Nのシルエットが際立てば際立つほど、感情のままに行動する傾向も先鋭化しますので注意が必要です。


アルファベット/N



従ってその場の雰囲気や直感によって突発的な判断をしてしまいがちです。なにせAのエネルギーが低いものですから。このため、長期的・論理的な視点を欠いてしまい、安定した意思決定が難しくなりがちです。また、創造力豊かな一方で、過度に自分の世界に没入してしまうこともあるため、周囲とのコミュニケーションに摩擦が生じることもあります。


更にA低値とFC・CP高値によって、論理的裏付けのない理想を追い求めるケースがよく見られます。思い込みによって理想のビジョンを掲げますが、それを実現するための具体的な計画やステップを無視しがちです。そしてFC高値でAC低値の人は「言いたい放題、やりたい放題」となり、協調性に欠け、「糸が切れた凧」のように予測不能な方向へと進んでしまうリスクがあります。


逆NⅢ型の親が、子供が"いじめ"にあった際に加害生徒ばかりに責任を押し付け、自分の子供の問題点には目を向けず、エキセントリックに学校側を非難するというケースがよくありますが、このような行動は、問題の解決を妨げるだけでなく、新たなトラブルを引き起こす可能性があります。


逆NⅢ型の内面を洞察すると、是非とは別に、このパターンの自我バランスに至る必然性を垣間見ることができます。表面的には「自己肯定・他者否定」(「I'm OK, but You are not OK」)のスタンスを取ることが多いですが、実際には「自己否定・他者肯定」である潜在的な心情を抱えていることもあります。自信の欠如から過度に対人関係での優越性を求めがちで、それが奪われることを恐れているため、過敏かつ攻撃的に反応しがちであるということなのです。



business-woman get angry boo



まとめますと、組織的な業務遂行においてのリスクは以下の通りです。


🔳チームワークの阻害・・・自分の意見ばかり主張し、周囲の意見を聞き入れようとしないため、チームワークを阻害する可能性があります。


🔳コミュニケーションの断絶・・・相手に対して攻撃的な態度で接するため、相手はもちろん相手を取り巻く周囲とのコミュニケーションが断絶状態になり、孤立してしまう可能性があります。


🔳プロジェクトの失敗・・・自分の思い込みだけで行動し、現実的な状況を把握できないため、プロジェクトを失敗に導く可能性があります。


🔳コンプライアンス違反・・・倫理観が希薄で、自分の利益を優先するため、コンプライアンス違反に繋がる可能性があります。


🔳重大事故の発生・・・精緻なマニュアルやルールがあっても、自分の勝手な思い込みでそれらを直感的にゆがめて順位付けしたり、取捨選択したりして、マニュアルやルールの完全性を棄損します。結果として会社の信用を失墜させるような重大事故、重大クレームが発生する可能性があります。



工場火災/化学火災/災害/煙



このようなリスクを回避するためには、以下の対策が必要となります。


🔳(周囲が)自己理解を促す・・・自分のエゴグラムパターンを理解させ、自分の強みと弱みをシビアに認識させることが重要です。また場合によってはエゴグラムのパターン変化(自我バランスの調整)が必要となりますが、しかしエゴグラムは個性の一部であり、強制されるものではありません。よって本人の自覚と、本人による変化に対する決意に影響を与える程度に留めなくてはなりません。


🔳客観的な意見を取り入れる・・・周囲からのフィードバックを素直に受け入れ、自分の行動や発言を客観的に評価できるようにしましょう。また変えるべきを変える勇気と、そのエネルギー創出に工夫を凝らしましょう。


🔳コミュニケーションスキルを向上させる・・・相手とのコミュニケーションを円滑に行うためのスキルを体系的且つ具体的に習得する必要があります。AC高値やNP高値の人は、そもそもの該当する自我エネルギーの高さによって、配慮や親切表現が自然にできます。またAが優位自我である場合も、その自我エネルギーにより「その場最適」なコミュニケーションが可能です。しかしNⅢ型の場合、理屈としてはどうすればよいのかが理解できても、トレーニングしない限り身につきません。



ビジネス/研修/教育/日本/レクチャー



🔳倫理観の向上・・・人間は環境に大きく作用される生き物です。その環境に左右されて組織的なコンプライアンスが保全されることをしっかりと認識し、その環境に対して自分が悪影響を及ぼしていないかをよくよく自覚する必要があります。個人の意識の問題と高を括るのをやめ、環境に対するプラスのアプローチができるようマインドセットを図りましょう。また人間にとって倫理がなぜ大切なのかを、あらゆる切り口から再確認する姿勢が重要です。


逆NⅢ型は、高いポテンシャルを秘めている一方で、制御不能なリスクも孕んでいます。このタイプの社員が組織に貢献するためには、自己理解に基づいた行動変容と、周囲との連携が不可欠です。適切な指導とサポートによって、逆NⅢ型の潜在能力を最大限に引き出し、或いは自我バランスの調整を促し、組織の目標達成に貢献できるよう導く必要があります。



参考:金子書房「新版 エゴグラム・パターン/TEG(東大式エゴグラム)第2版」


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定型文(記事02本文複写)
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エゴグラムは交流分析のツールです。

そのエゴグラムのタイプ名称は大変キャッチーです。これはエゴグラムの考案者である ジョン・M・デュセイ の師 エリック・バーンが、交流分析を世間に広く認知せしめ市民権を得る狙いで、その著書「人生ゲーム」のなかで敢えてキャッチーにタイプ名称を紹介したことに端を発します。

以来そのキャッチーな名称が独り歩きして、ともすると分析結果として、その名称で自分の思考特性、言動特性を規定されてしまうと、また繰り返しその名称で他者から揶揄的にパターン化されると、そのタイプ名称に自らをはめ込んで、自らのよりよい変化を規制してしまうということがありました。

キャッチーな名称は、キャッチーであるが故におもしろ笑しく多用されるものです。多用されればされるほど、された方は変化に対する規制マジックが働いた状態となり、エゴグラムの改善が進まなくなるのです。

実際に日本の学会でも、型名(M型とかN型とか)はさておき、タイプ名("がんこ親父タイプ"とか"いじけタイプ"とか)は、日本のエゴグラムの概念体系から抹消しようとの動きがあったようです。そして遂に2019年の東大式エゴグラム検査の改定では、そのタイプ名称が削除されています。

タイプ名称はキャッチーでわかりやすいので、エゴグラムの知識を得、それを活用できるようになるためにはとても有効です。この観点で、私共の研修ではそれ(以前のタイプ名称)を継承し、それによって基本的な理解促進を図っております。

一方で上述のような危険、学会の方向性、そして実際のエゴグラム図書からの削除という事実もあります旨ご賢察、ご注意くださいますようお願いいたします。いたずらにタイプ名称を口にして、他者をラベリングすることはお控えください。


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