suisyou-orettedounano-sugasan※直前記事からの続き・・・

さて既に結論がでていることですが、改めて考えてみて頂きたいのです。

芸術にしろビジネスにしろ、そのビジネスが製造業であろうとサービス業であろうと、はたまたそこに介在するルールであろうと技術であろうと、それに臨むうえでの信条であろうとベースとなる価値観であろうと、それらの切り口、種類、また大小、長短、多少に関わらず、あなたが先人から受け継いだ何某かを今以上によくするためにはなにが必要かを。


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色々なお答えが返ってくることと思います。しかし他責で考えている限りは確実性という観点で大いに疑問が残ります。例えば「上手に教えてくれたら」とか、「時間が充分にとれたら」とか、「会社が予算を出してくれたら」などです。

こうした他者頼り、環境頼りでいるうちは、他者がなんとかしてくれない限り、或いは環境が整わない限り、話が前に進みません。

ですから他責ではなく、自責で考えてみてください。

すると答えは一つしかなくなる筈です。

直前記事でも、その前の記事でもさんざん述べてきていますので、既に結論ありきの感があり大変恐縮ですが、とても大切な部分ですので念を押して確認しておきたいのです。繰り返すことをご容赦ください。

今、自分が携わっている前代から受け継いだこと、取り扱っている前代から受け継いだものを、確実によりよくして次代へ繋げようと思ったら、携わったり取り扱ったりしている自分自身が、今以上によりよく成長するしかないのです。それ以外に確かな方法はありません。


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つまるところ成長なのです。成長こそが、よりよいものを残し続け、それを改善、改良し続けてきた源泉なのです。成長こそが人類の進化を支えてきたのです。そしてこれからもその本質は変わりません。

個人と全体が表裏一体となってよりよいものを残すからこその人間。そのために成長してこその人間なのです。成長、進化の観点でここまで顕著な特長を持つ生き物は地球上に存在しません。従ってこの意味において「個人と全体の表裏一体性」つまり公共性と、それを担保しながらの成長、進歩、進化をもって、即ち人間性と断言することができるのです。

人間以外にない、人間ならではの特長、性質、つまりそれが人間性です。

食べることも、寝ることも、排泄することも、生殖することも生きものであれば全てが当たり前のように行います。よってそれらをもって即ち人間性とすることはできません。

求愛することも、愛情を注ぐことも、家族を持ち大切にすることも、哺乳類の高等種であれば行います。但し程度に違いがあるというだけのことです。従って、これらをもって即ち人間性というのも、説得力がありません。

道具を使うのも、道具をつくるのも、考えるのも、文字(記号)を理解するのも人間だけではありません。

清潔を保とうとするのも、お洒落をするのも、個性を主張するのも、遊ぶのも、絵を描くのも、歌うのも人間だけではありません。

しかし家族や地域集団を超えて、全体(社会)と一体となってよりよい方向へと進むのは人間ならではの特長、性質です。つまり「個人と全体(社会)が表裏一体となってよりよく成長し、よりよくなっていく」ことは、人間性を代表する特長の一つとして断言されるところなのです。

いくら個人と全体(社会)が一体となっても、よりよくなっていかないのであれば、取り巻く環境の変化に対応できなくなり、人類はとうの昔に滅亡していた筈です。

たくさんの種が存在していた人類にあって、われわれ人間だけが滅ばず生き残ってきたということは、つまりこの意味において、ホモ・サピエンス・サピエンスこそが、もっとも ”人間らしい” 種であったということでありましょう。

個人と全体(社会)が表裏一体である人間は、成長してナンボの存在なのです。

仕事を通じて人間性を高めましょう。即ち仕事を通じて周囲と繋がり、共によりよく成長していきましょう

それが人間らしい働き方、仕事の仕方なのです。



加えて成長分野についてもひと言。

仕事を通じて専門家=職業人として成長しましょう。同時に企業組織人としても、業界人としても成長しましょう。そして地域の一員としても、社会人としても、もちろん家庭人としても成長しましょう。

人間は多面的な生き物です。同時にたくさんの異なる顔を持っています。その多面的な顔それぞれに磨きをかけ続け、多面的多方面でよりよい影響を及ぼし続けていくと、その影響はどんどんとよりよい社会へと近づいていくことになります。


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例えば、男として、女として、若者として、大人として、親として、子どもとして、地域の一員として、〇〇都道府県民として、日本人として、或いは〇〇会社の一員として、〇〇支社の一員として、〇〇営業所の一員として、〇〇チームの一員として、〇〇職の一員として、〇〇担当として、先輩として、後輩として、上司として、部下として、〇〇さんの勤務する会社の取引先の一員として、〇〇業に従事する人の友人として、更に異なる〇〇業に従事する人の弟として、〇〇という事情や背景のある〇〇さんの配偶者として、その他諸々。

一つ、二つの顔を磨くことで満足して偏狭な世界にあぐらをかいていてはいけません。

優れた顔の数が少ないと、よりよい社会との表裏一体性が危ういものとなっていきます。なにせ社会は多層多構造の連鎖、複合体なのですから。



姿勢を正して改めて質問いたします。

あなたは成長を意識しながら仕事をしていますか。

「言われたことができたらそれでいいや」「今できることをやる。ただそれだけだ」ではいけません。

そのようなレベルにとどまっていては、世の中は絶えずよりよくなっていくわけですから、その潮流から早晩はみ出してしまい、つまりは置いてけぼりをくらってしまうことになるでしょう。


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大概の場合、上司は「できること」を指示します。そのできることだけをやっているのであれば、マンネリ化のリスクこそ高まれ、能力限界の拡大=成長はおぼつきません。

個人と全体(社会)が表裏一体となって、よりよく成長、進化、発展していってこその人間であるとするなら、その姿は理想から遠い生き方となり、その観点では「人間性の喪失」と言えるかも知れないのです。


また「文句を言われたり、注意されなければそれでいいや」もいけません。それは世の中や会社に迷惑を掛けない最低限のレベルです。

あなたは最低限の人間でいいのでしょうか。

或いはひょっとして、文句を言われなかったり注意をされなかったりするのは、単に我慢、許容されているだけのことなのかも知れません。そのようなことで本当にいいのでしょうか。


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もちろん「自分だけよくなればそれでいいや」もいけません。

知識面でも技術面でも、自分がその観点でよりよくなることによって、後輩や同僚、先輩や上司、延いては職場全体、上位組織、はたまた会社やお客さま、取引先が更によりよくなることを企図しなくてはなりません。

自分の優位性だけを高めてほくそ笑んでいるようでは、個人と全体(社会)が表裏一体となってよりよくなっていくという人間の本質からして、これまた「人間性の喪失」と言わざるを得ないでしょう。

自分自身がよりよく成長するためにチャレンジしながら、周囲や関係者に訴えかけ刺激を与え、動機付け、時に指導し、議論し、出向いて説明し、巻き込み、そして共によりよく成長していきましょう。

それが人間です。




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