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サブカテゴリ[ "テンショク"発想 ]
(サブカテ記事№04)
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一草履とり(下足番)であった藤吉郎。しかし彼はどうせ草履とりをやるのなら、日の本一(いち)の草履とりになってやろうと決意したようです。
草履とりという仕事を天職と捉え、自分がこの仕事を生涯をかけて追究していくと覚悟し、だからこそ誰にも負けない、誰も想像だにしない、誰も及ぶことができない至高の技を希求していこうと発想するのです。
「誰もが通る雑用係の道。誰もが通るのだから誰もがやるように適当にやっておけばよい。どうせ時期が来たら、次の雑用係へと廻されるのがオチなのだから」。決して、藤吉郎はそう考えなかったのです。
NHKの大河ドラマでは、それが伊井直政の出世譚にもモチーフされているようですが、そのような藤吉郎。草履とりを命じられて少しした、ある厳しい寒さの冬の日に、主君 信長 のお出ましを、お庭番を兼ねて待っていたそうです。
なにせ彼は日の本一を目指しています。普通に草履をとるだけでは腹の虫が収まりません。「このような寒さ厳しい折、家屋の中からいきなり外に出て、霜が降りかけた草履を履いたなら、主もさぞかし辛いことだろう。日本一の草履とりとしては、なにかいい方法はないものか。そうじゃ。ならば主のお出ましまでの間、せめて自分の懐に草履をしまい、凍てつく冬の気から匿い、寒風を遠ざけ、わしの身体の熱で温めておこうものぞ。このような手足かじかむ寒い日であれば、きっと主は喜んでくれようぞ。これぞまさしく日の本一の草履とり。下足道(どう)!」と思い立ち、直ちに実践。
そして聞こえてきたは 主 信長の足音。その姿が見えるや藤吉郎、すかさず懐からとりい出したる人肌に温まった草履を、これ以上ないという絶妙のタイミングで信長の足元にさっと揃える。阿吽とばかりにその草履を履いた信長は一二歩進んではたと立ち止まる。そして一喝。「サル! 主の草履の上に尻もちをついておったか。このうつけが!」と。温かい草履に違和感を覚えた信長は鬼気迫る勢い。
しかし藤吉郎。その懐には土の草履跡。それを見せながらかくかくしかじか。すると信長、大いに感心、意気に感じ「でかした!サル!」と一転の上機嫌。これを機に足軽へ取り立てられ、戦場での更なる活躍のチャンスを得たとか。
なにせ彼は日の本一を目指しています。普通に草履をとるだけでは腹の虫が収まりません。「このような寒さ厳しい折、家屋の中からいきなり外に出て、霜が降りかけた草履を履いたなら、主もさぞかし辛いことだろう。日本一の草履とりとしては、なにかいい方法はないものか。そうじゃ。ならば主のお出ましまでの間、せめて自分の懐に草履をしまい、凍てつく冬の気から匿い、寒風を遠ざけ、わしの身体の熱で温めておこうものぞ。このような手足かじかむ寒い日であれば、きっと主は喜んでくれようぞ。これぞまさしく日の本一の草履とり。下足道(どう)!」と思い立ち、直ちに実践。
そして聞こえてきたは 主 信長の足音。その姿が見えるや藤吉郎、すかさず懐からとりい出したる人肌に温まった草履を、これ以上ないという絶妙のタイミングで信長の足元にさっと揃える。阿吽とばかりにその草履を履いた信長は一二歩進んではたと立ち止まる。そして一喝。「サル! 主の草履の上に尻もちをついておったか。このうつけが!」と。温かい草履に違和感を覚えた信長は鬼気迫る勢い。
しかし藤吉郎。その懐には土の草履跡。それを見せながらかくかくしかじか。すると信長、大いに感心、意気に感じ「でかした!サル!」と一転の上機嫌。これを機に足軽へ取り立てられ、戦場での更なる活躍のチャンスを得たとか。
後の物語はこうしたエピソードを伝えているわけですが、真意の程はさておき、創意工夫の源泉は、「やりゃあいい」といった作業発想ではなく、誰もが通るつまらぬ道、ありふれた単純な務めといった輝きのない考え方でもなく、なるほど「天職発想」。
天が定め、天が授けた職である。だからこそ逃げない。全力を尽くす。そしてその道を究める。他に逃げ道をつくらないからこそ、そこに一意専心、没頭できる。
生涯をかけてそうした姿勢で都度都度の任務を追究せんとするからこそ、そこに矜持と差別化の意図が働く。相応の発想と大胆な行動がそういうことが言えるのではないでしょか。そして仮に運悪く惨憺たる目に合おうとも、浮かぶ瀬もあるのでしょう。
[次の記事へ続く]
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